対立せずに学びを促すには、どうすればいいの?

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人に教えることで学びが進みます!

 アメリカ国立訓練研究所が発表した7つの学習方法に関する研究結果に、学習の定着率を並べたラーニングピラミッドがあります。単に講義を受けただけでは学習の定着率が5%と低く、学んだことを人に教えると学習の定着率が90%になるそうです。自分が学んだことを、他人に教えることが最高の学びになります。
 しかし、一生懸命に教えようとしても、相手に話が伝わらない。あるいは相手が納得しない、理解してもらえないことがありませんか?
 みなさん、こんにちは。日本の工場でモノづくりをしている、定年まで10年を切ったシニアです。日本で「モノづくりできる、人づくり」に挑みつづけ、日々の失敗から学んでいます。 
 今回の学びは、対立せずに学びを促す考え方である「人は理由が分かると納得感が上がる」「人のせいにすると思考が止まる」「仮説が立つと検証し、行動したくなる」の3つです。
 7月後半、夏の暑さが厳しくなり、近所で開催された花火大会に子どもたちといっしょに行ってきました。私は久しぶりに花火をまじかに見たのですが、低学年の息子は目前で花火を見て、お腹に音が響くと驚きながらも、とっても喜んでいました。

【狙い】学び続ける組織(チーム)にするには?

会社は利益(儲け)を出し続ける必要があります。
 利益を出すためには、「個人」が学び、「組織」の学びにつなげる必要があります。みんなが成長して、常に新しい価値(新しい組合せ)を出し続けることができれば、会社の利益につながります。
 「学び」とは、個人の興味や関心が深まったり、広まったりすることです。学ぶことで、自分の好奇心(興味や関心)が探求されると、自己実現(自分らしさ)が成熟します。自己実現が実感できると成長につながります。個人が学んだことを組織に共有すると学びが伝染していきます。会社の存続には、学び続けることが必須となります。
「学び」を促進するには、人に「教える」ことです。
 人に「教える」ことが最高の学びになります。相手が楽しく「学び」を共有するためには、学んだ「理由」を伝えると、相手の納得感が上がります。分かりやすく伝える道具として「仮説の論理構造」と呼んでいるツールがあります。「仮説の論理構造」に興味のある方は、下記を参照ください。
  https://www.youtube.com/watch?v=CTCaSugV5lE

①人は「理由」がわかると納得感が上がります!

人は「理由」を知りたがる動物です。
 Why(なぜ=理由)は、目的を問うています。たとえば「われわれの組織が存在する理由は何か?」「何のために行動を起こすのか?」などです。TED(Technology Entertainment Design)」動画で、サイモン・シネックがアップルの事例で分かりやすく説明しています。
 https://www.youtube.com/watch?v=K1jRI1RdkHE
 Why(理由):われわれのすることはすべて、世界を変えるという信念で行っています。違う考え方に価値があると信じています。
 How(方法):われわれが世界を変える手段は、美しくデザインされ簡単に使えて、親しみやすい製品です。
 What(何が):こうして素晴らしいコンピュータができました。
「1つ欲しくなりませんか?」と言われると、アップル製品が欲しくなってしまいます。人は「何を」ではなく、「なぜ」に動かされます。
私の失敗は、「理由を説明しなかったことです。
 現場の人に「3回おなじエラーがでたらリセットボタンを押さずに、装置のメンテナンスをしてください」とお願いしました。とりあえず現場の人はお願いしたとおりに作業はしてくれましたが、納得していませんでした。3回にした理由は、「リセットだけでうまくエラーが解消される時は、2回目のエラーが発生しないからです」と、データといっしょに伝えれば、現場の人は納得し、他の人にも作業を伝えてくれたはずです。
 作業をする理由を相手が納得するまで説明することで、信頼関係を構築する土台ができることを再認識しました。

②人のせいにすると思考が止まります!

人のせいにするとは、他人や周囲の環境に原因があると考えることです。
 他責を原因にすると、自分では変えられない、自分にはどうしようもないと脳が勝手に判断してしまうので、思考が止まってしまいます。
 日常の会話で「でも」や「だって」を口癖で使っている人は、他責にしている人です。口癖なので本人は他責にしていることに気づいていません。「でも」と言いそうになったら、一度止めて「そうですね。そのうえで」と言い換えましょう。そうするだけで物事の受け取り方や反応のクセが変わります。
私の失敗は、上司のせいにしたことです。
 モノが売れだし、製品を加工する装置の追加投資が必要となりました。装置追加の投資提案をしたのですが、上司がなかなか許可してくれません。つい上司のせいにしてしまい、投資提案の抜けやモレがあることに気づきませんでした。他責にせず、前提となっている「提案の中身に問題があるのでは?」と考えていれば、投資提案がもっとスムーズに許可されたはずです。上司の気になる事に対し、さらなる提案を追加したら、今度は上司が応援団になってくれました。つい他責にしまいがちですが、前提(思い込みや習慣)を疑うと、新たな視点やヒラメキが生まれます。
人のせいにするのではなく、自分のせいにもせず、前提(思い込み)のせいにする。
 科学実験で失敗したときは、自分のせいにはしません。実験の前提(環境や条件)が違っていると考えるはずです。

③仮説が立つと検証したくなります!

人は「こうだ」と思った瞬間に、答え合わせをしたくなります。
 仮説を論理的にたてる道具にTOC(Theory Of Constraints:制約理論)の「仮説の論理構造」があります。仮説の論理構造を使うと、仮説を分かりやすく相手に伝えることができます。
 仮説の論理構造は、ある「①前提」のときに、「②行動」すると「③結果」につながる。なぜなら、うまくいく「④理由」があるからですの4つを考えます。たとえば、テストが前日に迫っている「前提(状況)」において、十分な睡眠をとる「行動」をしたら、テストの「結果」が上がった。理由は集中力が上がり、問題を正確に解けたからです。「理由」が明確になると人の納得感が上がります。
私の失敗は、「こうしたい」という結論だけを伝えていました。
 現場の人が知りたがっている理由「なんでやるのか、何が良くなるか」を示さないために、現場の反感を買っていました。決して現場の人は、提案に反対しているのではなく、提案の中身を知りたがっていただけなのです。
 たとえば、「この部品を定期交換してください」と伝えるのではなく、この部品は劣化により摩耗している状況であり、このまま使い続けると、装置故障になってしまうと理由を伝えます。そうすれば、部品交換する「理由」が分かるので、現場の人の納得感が上がります。
 「事後交換」から「定期交換」する仮説がヒラメクと検証したくなります。ぜひ、仮説の論理構造を使って、抜けモレなくわかりやすく伝えることで、現場の人たちを味方にしてください。

まとめ

①人は「理由」がわかると納得感が上がります!
 うまくいく「理由」を伝えると相手の納得感が上がります。仮説の論理構造(①前提/②行動/③結果/④理由)を使って説明をしてみましょう。特にうまくいく「理由」が大事です。
②人のせいにすると思考が止まります!
 人のせいにすると対立が生まれます。対立を両立に変えるために「前提(思い込み)」のせいにしましょう。思い込みは常識や習慣から生まれます。日常の習慣を疑ってみましょう。
③仮説が立つと検証したくなります!
 仮説が立つと、仮説が合っているのか/間違っているのか答え合わせをしたくなります。日ごろから仮説を立てる訓練をして、自主性を高めましょう。


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