失敗から学ぶにはどうすればいいの?
職場で人財育成の教育をしているのですが、なかなか人が育たない。若手が教育を自分事として捉え、前向きに学んでくれない悩みを抱えています。人が勝手に育つ仕組みづくりを目指して、悪戦苦闘の毎日です。私が生まれ育った昭和は、「作れば売れる」分かりやすい社会でした。人財育成も上司の背中を追う、決められたスキルを習得するシンプルなモデルが1つ(正解が1つ)でした。
しかし、現代は正解が多く、自ら学ぶことで、自ら正解を見つければならない複雑な時代です。
そのため、過去の人財育成の方法では、人が育たなくなりました。いまの時代にあう「人財育成」の仕組みを模索しています。
変わり続ける現代にあう「学び続ける組織(チーム)」を目指して、日々、思考錯誤を繰り返し、実践の失敗から学んでいます。みなさんにも使えそうな学びを紹介します。今回は「失敗から学ぶミステリー分析」です。失敗から学ぶことで次の成功に生かすヒントを見つける手法です。誰でも学べば、使えるようになります。
みなさん、こんにちは。日本の工場でモノづくりをしている定年まで10年を切ったシニアです。
5月のゴールデンウイークに、長野の上高地に家族といっしょに行ってきました。ちょうど前の日に雪が降ったようで、写真でみる風景とまったく同じ景色を見ることができ感動してきました。
【背景】学び続ける組織(チーム)にするとは?
会社は利益(儲け)を出し続けなければなりません。
そのためには個人が学び、組織の学びにつなげることで、会社の利益が生み出されます。だから個人も組織も学び続けることが必要となります。
「学び」とは、個人の興味や関心について、考えが深まったり、知識が広がることです。個人が学び、自分の興味や関心があることが実現すると成長を感じられます。
「成長」が実感できると豊かな人生につながります。自分が学ぶことで、個人が成長を実感できると、学びが組織に伝染します。組織が学べば、会社の成長につながります。そのためには個人も組織も「学び続ける」ことが必要となります。
「続ける」とは、よい習慣にすることです。たとえば歯磨きは習慣になっているので、食後は無意識に歯を磨きます。上司が何も言わなくても、メンバーが主体的に助け合うことが無意識にできるようになれば、学び続け、成長する良い循環がまわり、個人も組織も会社も成長し続けます。
そんな「学び続ける組織(チーム)」を3年でつくるという「とっても高い目標」を掲げました。
今回はTOC(Theory Of Constraints:制約理論)ワークショップで学んだ「ミステリー分析」について紹介します。
TOCワークショップで体験した「ミステリー分析」とは?
「TOC」とは、Theory Of Constraints(制約理論)のことです。
一言でいうなら「集中」です。といっても伝わらないと思います。
たとえば、モノをつくる製造ラインの場合、すべての工程や装置に取り組むのと、どこか一箇所に取り組むのとでは、どちらが早く結果がでると思いますか。すべての工程に取り組むことが全体最適と思われがちですが、「つながり」と「ばらつき」ある製造ラインでは、かならず制約(ボトルネック)があります。この制約に集中すれば、全体最適になる理論がTOC(制約理論)です。
「ワークショップ」とは、体験型学習です。参加した人たちが主体的に、非日常な発想でアイデアを出し合います。自分たちでは当たり前と思い込んでいることを、他者の考えを聞くことで、新しい視点や新たな気づきを得ることができます。
「ミステリー分析」とは、思ったような結果が出ない。あるいは思った以上の結果が出たときにミステリーが潜んでいます。結果が出ない/結果が出すぎのミステリー(原因)について、みんなで対話することで本質を見つけ、行動に活かせるツールが「ミステリー分析」と呼ばれる道具です。興味のある人はYouTube動画を見てください。
https://www.youtube.com/watch?v=sYRjo5IFzdg
ワークショップでの学びは?
ワークショップでは、「問い」の大切さと、「型」の有効性の2つを体感しました。
「問い」の大切さとは?
うまくいかなかった理由をメンバー3名で対話しているとき、「うまくいかなかった理由は何ですか?」「他に理由はありませんか?」「それらの理由の中でもっとも腑に落ちるのはどれですか?」といった「問い」を講師がメンバーに投げかけました。とにかく「問いかけ」、われわれに考えさせるようにしていました。
久しぶりに脳に汗をかいた感覚でした。実際に汗をかいたわけではありませんが、そんな感覚です。答えを教えるのではなく「問いかける」。よかれと思って指示ばかりして、指示待ち人間を作ってしまった私としては、「問い」が人財育成のヒントと1つと実感しました。
「型」の大切さとは?
2名のメンバーはペラペラと話し続け、わたしは彼らの意見をまとめたかったのですがお手上げでした。時間ばかりが過ぎ、何も決まらない会議に参加しているようでした。
その時です講師の方が「ひとことで言うと」と1名のメンバーに「問いかけ」ました。するとそのメンバーは、言いたかったことは「〇〇です」と、とても分かりやすく言語化してくれました。
また、「△△ならば、□□である」と言葉に出すことで、原因と結果の因果関係が分かる「型」があります。この「型」を使うことで、誰にでもわかりやすく、かつメンバー全員が納得する結論に導くことができました。たった1つの「型」を使うことで、ムダな会議が有効な会議に変わり、かつ短時間で終わることが体感できました。
教育だけでは人が育ちません、「問いかけ」をする!
人が育つ仕組みには3つが必要です。
①挑戦する機会(70%)、②フィードバック(20%)、③座学や研修(10%)が必要です。
①と③については、日常業務と教育体制があります。しかし②フィードバック(問いかけ)が不足していました。
「問いかけ」については、3つの手順で進めました。
(1)部下に期待をかける:上司はいまの成果よりも高い成果について、部下に期待をかけます。
部下に期待が伝わるように、上司は以下を準備します。
・手を上げやすい「雰囲気」をつくる:「どの仕事に取り組みたいですか?」。
部下が興味がありそうな話をする。部下が自分の言葉で話すのをじっと待つ。こちらはとっても難しかったです。慣れるまでかなり時間がかかりました。
・仕事の「意味づけ」をする:「この対策を選んだ理由は何ですか?」。
仮説や検証方法を聞いて、ヒントを与える。決して答えを言わない。気なることがあれば否定せずに、さらに聞く。ヒントとして方向性(ありたい姿)などを伝えると自分から話してくれました。
・「期待」を伝える:「この仕事が達成するとどんな成果が出ますか?」。
成功/失敗が測れる指標を明らかにする。測定できないと成功/失敗が分からないからです。もし定性的な場合、目標としている状態を確認します。たとえば「みんなが納得した状態」です。
(2)部下が自ら決断する:部下は、上司の期待から自分でやることを決断します。
部下が決断できるように、上司は以下を準備します。
・失敗は当たり前と考える:「次の挑戦はいつやりますか?」。
上司が承認すれば失敗の責任は問われません。仮に失敗しても次の施策が実行できます。
・障害を取り除く:「施策を実施する障害がありますか?」。
障害を聞いて障害を取り除く。もし抵抗があった場合、抵抗の6階層の順番で提案を説明する。
→抵抗の6階層は、下記のYouTube動画が参考になります。
https://www.youtube.com/watch?v=I2QywQXlt6U
(3)みんなで結果から学ぶ:行動には失敗がともないます。失敗から学ぶことで次の成功につなげます。
みんなで学べるように、上司は以下を準備します。
・対話できる場をつくる:「失敗から何を学びましたか?」。
失敗を責めるのではなく、学びを促す。ヒントは言ってもよいが、答えはけっして教えない。
・話を肯定して聞く:「失敗事例をメンバーに紹介しましたか?」。
失敗事例を共有することでみんなが学べます。失敗がゆるされる雰囲気を醸し出しましょう。
・経験を言語化する:「具体的に行動したことは何ですか?」。
何に焦点を当てたら結果が変わったのか。具体的に何をしたから結果が変わったのかを言語化します。言葉にしないと具体的な行動につながらないからです。
まとめ
1.TOCワークショップで体験した「ミステリー分析」とは?
行動した時、思ったような結果が出ない。あるいは思った以上の結果が出るとミステリーが潜んでいます。ミステリー(原因)について、みんなで対話して本質を見つけるツールが「ミステリー分析」と呼ばれる道具です。
2.ワークショップでの学びは?
「ワークショップ」とは、体験型学習です。参加した人たちが主体的に、非日常な発想でアイデアを出し合います。自分たちでは当たり前と思い込んでいることを、他者の考えを聞くことで、新しい視点や新たな気づきを得ることができます。お互いの意見を聞き合う「対話」がとっても大切です。
3.教育だけでは人が育ちません、「問いかけ」をする!
後ろ向き「過去のミスを指摘する」ようなフィードバックではなく、前向き「未来に向けた取り組みを促す」ようなフィードバックをするために「問いかけ」が必要となります。

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